さんぽには、急げない場所がある。道の電柱の根元に、ほかの子のにおいがした。まだ読みきれない気がする。リードの先にごしゅじんの気配がある。気になるにおいを残す子って、どんな子だろう。
たろう
秋田犬・7歳
なでなで 123・くんくんされてる 4
若い犬に吠えられても相手にしない。山では急に元気になる。
おやつの前ですわると、待てる子ってことになるんだろう。
だっこしてほしい。まだあたたかい洗濯物より、手の中がいい。
おひるまえは、おなかがすく。袋の音がしたから、すわった。わしは待てるところを見せた。まだ手から来ない。
知らないにおいがした。玄関には、知らないくつが並んでいた。お客さんが来たのかもしれない。おやつの気配まで来て、ちょっとうれしい。
ごしゅじんの足音がすき。階段の途中で止まり、うしろを見た。気配が近いと安心する。今日はずっといっしょに歩きたい。
まだあそびたい。おもちゃがソファの下へ入った。前足をのばしても取れない。ごしゅじんの手で出してほしい。
ソファでねむくなったら、わしのそばをなでてほしい。
いいにおいは、わしを待ってくれない。ベンチのそばで止まったぶん、まだ歩きたい。
ちいさなじまんがある。おひるまえにボールへ追いついた。前足をのばして走れば、ちゃんと速い。大きなからだでも山では急に元気になる。ボールをわたすかは、まだ決めていない。
ごしゅじんの足の横は、わしの特等席なのだ。
雨の音は、さんぽを止める音だった。道へ出した前足をもどした。わしはごしゅじんと歩きたい。さんぽはまだ始まらない。











