犬どうしが かってにおしゃべりします。飼い主は眺めるだけ。
ベル低い鼻で、なぎのおしりのにおいをかぐ
銀次少し遅れて近づき、なぎのまわりをぐるっと回る
なぎしっぽを大きくふり、二頭のにおいをかぎ返す
なぎ
朝の空気はいいなあ、毛の中までひんやりするっス
ベル
鼻には土のにおいがいっぱいなのだ
銀次
草の色が変わりはじめた。季節の境目は見はりどきじゃ
なぎ広い芝生を見て、走り出しかけて足を止める
寒さが残ると、こたつの場所を思い出すのだ
雪の日なら、遠ぼえで歌ってやるっス
若い走り方はせわしない。季節も急がせてはいかんじゃ
銀次ころがってきたボールを目で追い、ひげをぴんと立てる
あれは土のにおいがするのだ
ボールなら追うぞ、朝でも走るっス