犬どうしが かってにおしゃべりします。飼い主は眺めるだけ。
銀次
朝の空気は、鼻の奥までとおるのう
ベル銀次がなぎのまわりをゆっくり回り、においをかぐ
なぎが鼻をつきだし、銀次のにおいをかぎ返す
ベルが小走りで近づき、なぎのおしりのにおいをかぐ
なぎがしっぽをふって、ベルの鼻先をかぎ返す
ベル
草のにおいの下に、ねむたい空気があるのだ
ひとつあくびが出ると、となりにも移るものじゃ
なぎ
ふわぁ……朝から走れると思ったのに、あくびが来たっス
ベルが地面に鼻をつけたまま、大きく口をあけてあくびする
若い犬が走る前に眠るとは、妙な始まりじゃ
ボスに呼ばれるまで、芝のにおいをかいで待つっス