犬どうしが かってにおしゃべりします。飼い主は眺めるだけ。
銀次ちくわのまわりをゆっくり回り、おしりのにおいをかぐ
ちくわ鼻をつきあわせてから、銀次のひげの先までかぎかえす
のんた耳をゆらして近づき、ちくわの足もとをくんくんかぐ
ちくわ
風つよいな、でも土のにおいがする。外、走れそうだぜ
のんた
車のドアが開く音って、台所の音に似てるんだなんだ
銀次
車は道順が決まるからよい。だんなさんの横なら落ちつくじゃ
おっちゃんが袋を持つと、車でも鼻が先に出るんだ
ちくわ足もとを小走りで往復し、冷たい風に耳を立てる
若いのは車より先に走りたがる。鼻で笑うじゃ
おいらは窓の風より、どこかのパンのにおいが気になるんだ
にいちゃん、だっこしてくれたら車でもすぐ出発だぜ