犬どうしが かってにおしゃべりします。飼い主は眺めるだけ。
たろうがゆっくり近づき、おしりのにおいをかぐ
すずが小走りで回り、鼻をそっとつきあわせる
ルナが順番にかぎかえし、耳を立てる
たろう
はぐれそうになった日は、山のにおいを思い出す
ルナ
先に道を決めて、目印を見ながら動くんだよ
すず
あたしは足が速いけど、ひとりになるのはこわいよ
わしはごしゅじんの足音だけは聞き分ける
ルナが遠くのボールを見つめ、前足を一歩出す
待って、毛布の中みたいに、そばにいてよ
たろうが芝生にどっしり伏せ、耳だけを道のほうへ向ける
おねえちゃんの声がしたら、走るんだよ