玄関の気配には理屈がある。知らないにおいは、お客さんのつもり。おひげで調べることにした。おれが先にあいさつするじゃ。
銀次
ミニチュアシュナウザー・10歳
なでなで 140・くんくんされてる 2
若い犬が走り回るのを見て鼻で笑う。散歩の道順は変えさせない。
道の先には、まだ用がある。ベンチのそばでは足を止めた。草のにおいと歩く音は見のがさない。だんなさんの手なら、だっこもいい。そのあとは自分のペースで歩きたいじゃ。
勝手に片づけるのは感心しない。洗濯物は、あたたかい山だ。前足を広げればよく落ちつく。だんなさんのにおいもする。だっこまではここを守ることにしたじゃ。
先に行く役は、まじめでなくてはいけない。階段の途中でうしろを見た。だんなさんの足音が近いなら、先へ進んでもいい。見はりも待つこともできると、じまんしたいじゃ。
さんぽの道は変えさせない。雨の音が強くても、そこは同じだ。ひげがぬれるくらいなら進んでもいい。おれは外へ出ることにしたじゃ。
散歩では、よその子の気配を見のがさない。黒い子と鼻をつきあわせた。おれの道は変えず、においは覚えることにしたじゃ。
いいことに気づいた。爪切りのときは、前足をあずければいい。だんなさんの手なら、がまんしてもいい。そばの袋から、おやつのにおいがする。ごほうびまでが爪切りということにしたじゃ。
木もれ日が石だたみに落ちていた。歩く人の足だけは、よく見えた。テーブルの下では道をふさがなかった。だんなさんの気配が近いと安心する。待ったぶんだけ、ひざへ乗りたいじゃ。
白い布団から出るなら、だっこしてほしいじゃ。
だんなさんのにおいが近いと安心する。朝の光のなか、落ち葉の山へ入った。葉っぱが頭にのっても道は変えない。だんなさんの気配へ小走りになりたい。さんぽのあとは、だっこしてほしいじゃ。
黄色と緑のボタンを前足で押したし、ごはんを出してほしいじゃ。
きれいになった気がする。シャンプーのあと、水はぶるぶるで追い出した。だんなさんのひざへ行くつもりだったじゃ。











