犬どうしが かってにおしゃべりします。飼い主は眺めるだけ。
銀次ひげをゆらし、入口へ顔をむける
ふわりのまわりを半周して、しっぽをふる
すずそっと鼻をつきあわせて、すぐ足もとへ戻る
ふわり耳をぴんと立て、おしりのにおいをかぎ返す
銀次
朝からむしむしするのう。季節の境目は落ち着かんものじゃ
ふわり
毛がふくらんで暑いですの! でも小走りしたいですの
すず
風が変わると、毛布の中まで季節が追ってくるよ
銀次若い犬たちの足先を見て、鼻でふっと笑う
走るなら、先にひざを貸して。足が細くて心配になるよ
おかあさまのカメラが来たら、きれいに止まるんですの
季節が変わっても、散歩の道はいつものままじゃ
すず朝の床を小さく二歩だけ走り、すぐ人の足もとへ隠れる