犬どうしが かってにおしゃべりします。飼い主は眺めるだけ。
すずが小走りで近づき、おしりのにおいをかぐ
銀次がゆっくり回り、ふわりの鼻先を確かめる
ふわりも毛をゆらして、すずと銀次のにおいをかぎ返す
すず
呼ばれても行かないって、どういう気持ちなの?
ふわり
だって、いま毛並みをととのえたところですの
銀次
呼び声より、見張るべきものがあるんじゃ
おねえの声が聞こえても、足が止まることはあるよ
銀次がひげをぴんと立て、芝生の先を見つめる
わたしは暑いと、だっこで考えたいんですの
あたしなら毛布の中から、そっと顔だけ出すよ
だんなさんに呼ばれても、道順が先なら動かんじゃ